マンガなしでは生きられない。

サンデー19:メテオド(新連載)

| 2007-04-12 12:06 |

去年の読み切りに「究極論ヒロイン」で登場しサンデーの中で期待度ナンバーワン(オレランキング)の四位晴果の新連載がついに登場。

内容としては隕石が降ってきていろいろ変わってしまった地球が舞台のSFモノ・・・でいいんすかね。
まぁ、そこは表紙にも書いてあるんでそこんとこ参照ってことで。


じっくりと読んではみたんですが・・・
どうなんだコレ?

個人的にはかなりの「違和感」を感じる第一話だった。

・隕石の影響で生態系が変化。
・隕石の被害を食い止めるためのいろんなジャンルの専門家が集まりオブザーバーと呼ばれるようになった。
・隕石のカケラが手ごろな生物を取り込んででかくなったのがデブリと呼ばれる怪獣。
・一部の人間にも影響を与え超人的能力を持つ「メテオド」が生まれた。主人公(十威)もその一人。
・原因は不明だが十威には欠落しているものがある。見たところ想像力か何かの様子。
・メテオドの存在は明らかにされることにリスクを伴うものらしい。
・十威の師匠の撫子はデブリ対策の第一人者。

第一話から得られる情報はこんなところだが・・・

十威達が街に出てきたときにデブリが現れなんと十威が女の子と一緒に食われてしまう。
で、現地のオブザーバーが出てくるわけだが、撫子が彼らの対応に異を唱える。
結局は十威が超人的パワァでデブリをやっつけるわけなのだが、ここで疑問がいくつかでてくる。

なぜ撫子はデブリ対策の第一人者でありながら現地オブザーバーを止めた後に何も対策を出さなかったのか。
結果十威がぶっ飛ばしたからよかったものの、できればメテオドであることは明かしたくないハズ。
撫子の表情的には手の打ちようがない感じではないにもかかわらず十威が力を使うことを許した理由があいまいで納得しかねる。
マスクで顔を隠せば大丈夫・・・って目の前にオブザーバーいるんだから大丈夫なわけないだろw

十威がやろうとするのを撫子が止めて十威が無理矢理力を使うか、
撫子が対応しようとしたところで十威がやらせてくれと言うかのどちらかでないと筋が通らない。
メテオドであることがバレても大したことはなければこの違和感は全く問題がないんだけどね。
一般市民は避難しているがマクー空間でもない限り見ている人間はいるはずで、その辺のリアクションがないのも変な感じ。

マンガ、ことSFをはじめとする仮想世界は世界観が命。
世界観はそのまま世界のルールと言い換えてもいい。
世界のルールを決めたら登場人物はそのルールに従って動かなければならない。
動かなければその世界は存在感を失い「ウソの世界」になってしまう。

HUNTER×HUNTERで念の説明に何週もかけたのはその世界のルールを読者に理解してもらうことで、読者をよりその世界に引き込むためだし、映画マトリックスも仮想世界の説明にかなりのウェイトを置いている。
これは観客を空想の世界に引きずり込むためにはどうしても必要なことだからに他ならない。
上記2作の場合は主人公を通して学ばせることで同時に観客にも学習させるという手法を取っている。

が、折角説明してもルールを無視して動いてしまったら全く意味がないわけで。
その部分の配慮がメテオドには欠けている。

冒頭にも書いたが、これの作者、四位晴果は読みきりで「究極論ヒロイン」というものを描いている。

内容はいきなり現れた怪獣に主人公(ひきこもり・男)がいろいろあって巨大美少女に変身して地球を守るというコメディ。
コメディの中に主人公の葛藤や成長が描かれていて好印象だった。
メテオドもノリは変わらずちょっとした笑いのポイントが含まれてはいるのだが、今回はストーリーの中に笑いをねじ込んである印象になってしまい正直ウザイ。自分もマンガのスタンスが変わるだけでここまで印象が変わるとは思わなかった。

これからメテオドがどこへ転がっていくのか。
可能性は秘めていると思っているので生暖かく見守りたいと思う。

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