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[マンガ] 2020年新連載まとめ

| 2020-12-31 20:24 |

あと数時間で新年というタイミングで書いております。

ここ数年はヒットがどこから生まれるかわからない状態で、雑誌のブランドや価値を示さなければならない時期であると感じますね。
SNSでバズればWEBのみの公開でも十分なヒットが誕生する一方、バズるかどうかはいい作品を作った上で運任せという現実があり、戦場をどこに設定するかは難しい状況が続いています。
見てる感じSNSで強いのはラブコメ系という印象ですね。
少ないページ数でもシチュエーションで強烈に殴れるのが強いのでしょう。

それでは2020年のまとめいってみましょう。

週刊少年ジャンプ 2020年新連載
ZIPMAN!! 芝田優作 - 2020年01号~2020年19号
AGRAVITY BOYS 中村充志 - 2020年02号~
アンデッドアンラック 戸塚慶文 - 2020年08号~
マッシュル -MASHLE- 甲本一 - 2020年09号~
魔女の守人 坂野旭 - 2020年10号~2020年29号
森林王者モリキング 長谷川智広 - 2020年20号~
ボーンコレクション 雲母坂盾 - 2020年21/22号~2020年38号
タイムパラドクスゴーストライター 伊達恒大(漫画) 市真ケンジ(原作) 2020年24号~2020年39号
あやかしトライアングル 矢吹健太朗 - 2020年28号~
破壊神マグちゃん 上木敬 - 2020年29号~
灼熱のニライカナイ 田村隆平 - 2020年30号~
僕とロボコ 宮崎周平 - 2020年31号~
BURN THE WITCH 久保帯人 - 2020年38号~2020年41号 短期集中連載
仄見える少年 松浦健人(漫画) 後藤冬吾(原作) 2020年39号~
高校生家族 仲間りょう - 2020年40号~
ぼくらの血盟 かかずかず - 2020年41号~
BUILD KING 島袋光年 - 2020年50号~
SAKAMOTO DAYS 鈴木祐斗 - 2020年51号~

2020年のジャンプは新連載はいつもどおりですが打ち切り作品が少ない状況。
先日日本映画の興行収入記録を塗り替えた「鬼滅の刃」が完結(24号)
上り調子だった「アクタージュ」が原作者の不祥事で緊急終了。(36号)
カルト的人気の「チェンソーマン」がアニメ化の発表と同時に完結(2021年2号)
という形で人気作がゴロゴロっと終わってしまったため枠が空いて生き残る連載が多い結果になった模様。

今年の新連載でイチオシは「マッシュル」。
「魔法の能力が人の価値」という世界で魔法が使えない主人公が筋肉の力で巻き起こすバトルコメディ。
序盤はギャグ寄りの話が多いが途中からはバトル寄りに傾く。
バトル中に頻繁に起こる煽り合いは「BLEACH」を思わせる物があり、無駄にカッコよさを演出している。
ギャグ寄りなだけにキャラも濃くて人格的にまともなキャラがほぼいない。寮で同室の黒髪メッシュくんぐらい。

この先どういう方向に持っていくのか楽しみな作品。


他は「アンデッドアンラック」が話題ではあるけど、自分はそこまで評価してないかなぁ。
矢吹先生のエロコメ職人芸である「あやかしトライアングル」以外はどれも微妙。
全体的に嫌いではないけど、物足りなさを感じる。

2021年はガンガン連載が始まってドンドン入れ替わっていく形になりそうでそれも楽しみ。


週刊少年サンデー2020年新連載
嘘月-ウソツキ- ミナミ - 2020年1号~2020年40号
PINGKONG コミック・ジャクソン - 2020年2/3号~2020年17号
洗脳執事 浅山わかび - 2020年4/5号~2020年21号
葬送のフリーレン アベツカサ 山田鐘人 2020年22/23号~
いとやんごとなき 小松翔太 - 2020年24号~
龍と苺 柳本光晴 - 2020年25号~
イケ田くん 渥美駿 - 2020年26号~2020年45号
今際の国のアリス RETRY 麻生羽呂 - 2020年46号~

2020年のサンデーは長期連載陣に動きはなく、よく言えば安定してる状態。
入れ替えが起こっていないわけではなく、2年未満の作品がサクサクっと終わり、新連載に入れ替わる感じ。
実際残ってる作品は割と面白いのでしょうがないよねと思う部分はある。

今年の新連載で注目なのは長命のエルフを軸にしたファンタジーの「葬送のフリーレン」と高校生女子が将棋に挑む「龍と苺」
「葬送のフリーレン」は従来のファンタジー作品と違い、50年を「少し前」とのたまい、再会の約束を100年後にするような長命種であるエルフ独特の時間感覚にフォーカスしているのが面白い。
長命であるがゆえに人の命どころか国の歴史ですら遠くから見ているエルフ的価値観は今後多くの作品に影響を与えると思われる。

「龍と苺」は「響」でマンガ大賞を取った柳本光晴センセの作品。
傍若無人で型にはまらない主人公の性格や、才能が年齢や性別を超えるという構成は響とよく似ている。
しかし龍と苺では達人が大きな壁として立ちはだかり、これをどうやって超えていくのかが見ものだ。


週刊少年マガジン2020年新連載
死神サイ殺ゲーム 大前貴史 門馬司 2020年1号~2020年30号
カッコウの許嫁 吉河美希 - 2020年9号~
XEVEC 下内遼太 bose 2020年11号~2020年34号
カノジョも彼女 ヒロユキ - 2020年14号~
トーキョーバベル 久世蘭(漫画) 花林ソラ(原作) 2020年22・23合併号~
ゴッドハンド輝〜沈黙のコロナ2020〜 山本航暉 2020年29号~2020年32号 短期集中連載
世が夜なら! むちまろ 2020年30号~2020年33号 短期集中連載
シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜 不二涼介(漫画) 硬梨奈(原作) 2020年33号~
魔女に捧げるトリック 渡辺静 - 2020年39号~
獣の六番 永椎晃平 - 2020年41号~
カンギバンカ 恵広史(漫画) 今村翔吾(原作) 2020年50号~

2020年のマガジン。
今年はそんなに悪くなかった気がする。去年がちょっと微妙だった反動かも。

今年の注目はなんと言ってもシャンフロだろう。
今現在の小説家になろうにおいてメディアミックスしていないVRMMO小説作品の中では屈指の人気を誇り、書籍化されないのが不思議に思われていたところでのコミカライズ。
書籍化をせずにコミカライズするのは異例だし、それが週刊少年誌というのも異例。
作画クオリティも高く、組み合わせにも恵まれている印象がある。
ファンから見ての満足度は高く、編集部としてもいい手応えを得られているのではないかと思う。

他にもカンギバンカは戦国時代でも松永弾正久秀をとりあげている珍しい作品。
松永久秀は史実にしてもフィクションにしてもクセ者として扱われる事が多い人物で、どういう形で身を立て、成り上がっていくのかは楽しみだ。


週刊少年チャンピオン2020年新連載
水曜どうでしょう〜大泉洋のホラ話〜 星野倖一郎(作画) 大泉洋(監修) 2020年01~17号 2020年47~52号
魔界の主役は我々だ! 津田沼篤(作画) 西修(監修) コネシマ(原作監修) 2020年06~
バクくん 田中優吏 - 2020年07号~
メイカさんは押し殺せない 佐藤ショーキ - 2020年08号~2021年01号
声がだせない少女は「彼女が優しすぎる」と思っている 矢村いち - 2020年11号~
ヤンキーJKクズハナちゃん 宗我部としのり - 2020年16号~
家庭教師なずなさん 縁山 - 2020年18号~
桃源暗鬼 漆原侑来 - 2020年28号~
疾走少女 八音橋ナオキ - 2020年39号~2020年42号 短期集中連載
ぼいるふろー! 平平なすこ - 2020年40号~2020年47号 短期集中連載
うそつきアンドロイド 阿東里枝 - 2020年43号~
ギャルの背後に霊がいる 橋本くらら - 2020年49号~
はぐれ勇者の異世界バイブル 那珂山みちる - 2020年52号~

2020年のチャンピオンですが今年はあまり読んでないのでコメントは控えさせていただきます。
大泉洋のホラ話はおもしろかったよ。


他の雑誌だと、スピリッツに移籍してきたゆうきまさみセンセの「新九郎、奔る!」は良かったですね。
というか時代物描けるんですねゆうきセンセ。
あと同じくスピリッツの「チ。」地動説に気づいてしまった少年の話。コペルニクスの話ではなさそうだったけど、テーマと世界背景を合わせて面白い作品。

ぐらいかなぁ。

昔は雑誌だけ読んでいればよかったけど、今はWEB作品の量が増えてチェックしきれないのが現実。
ジャンプ+の「姫様、拷問の時間です」とかマンガクロスの「僕の心のヤバイやつ」、ツイ4の「幸せカナコの殺し屋生活」などは下手な紙媒体よりも強かったりするわけで。
紙媒体だけではなく、アプリも含めたプラットフォームを意識する必要が出てきている。

と、言っても現在のブランド力はジャンプ+が一強のようなので、ジャンプ+だけ押さえていれば問題はなさそう。
サンデーうぇぶりもスマホに入れてはいるのだけど、アプリ自体が使いづらいのであまり読めてないな。
最近アップデートしてジャンプ+みたいなUIになったんだけど、無料で読めない作品が多すぎて探すの面倒なんだよね。
無料で読める作品でいいから何か読みたいこともなくはないのだけどね。

LINEマンガとかピッコマとかもあるけど、あそこはサブ収益を上げる場所であって作品発表の場という感じではないんだよね。
そういう意味ではアプリよりWEBの方がまだ優勢な感じはある。
SNSから即読めるというのが大きい。
マンガアプリもWEBでも同様に読めるようにしてある所とWEBでは読めないあるいは同じではない(アプリは全部、WEBでは一部のみなど)所があり、そのあたりの違いがSNSでの露出に影響してる感じはあるね。
SNSの宣伝を見てサイトに飛んだけど読めませんでしただと読者の印象はかなり悪くなると思うんだけど、そう考えない運営が多いって事なのかもしれない。


つらつらと今年の所感を書いてみましたが皆様の2020年はいかがだったでしょうか。
いい作品には出会えたでしょうか。
2021年の新連載に思いを馳せつつ、2020年の締めくくりと致します。

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