マンガなしでは生きられない。

【サンデー】ツール!の失策。

| 2010-02-17 14:18 |

ツール!は最後のチャンスを逃した。


ツール!はフランス編に入り、ツールドフランスを目指して走り始めたばかり。
ヒイロ(主人公)は草レースに飛び入り参加したものの、レースの「暗黙の了解」を知らなかったために他の選手に妨害され結局飛び入りがバレて失格処分、途中退場となった。
その妨害した相手こそヒイロと行動を共にしてる女の子の兄だった。

というのが先週の話。


実はツールドフランスを目指すマンガは数あれど、フランスを舞台にしたマンガは(知る限り)ない。
よって実際いかにしてツールドフランスまで上って行くか紹介しているものはないのである。
ヒイロはフランス編に入り、ツールドフランスへの上がり方も知らなければレースのルールも知らない素人になった。
(普通に考えれば映像は死ぬほど見てるはずなので知らないはずはないのだがw)
キャラが「ひたすら鍛錬を重ねた素人」に変わったのだ。
これは知識レベルが読者と同じになったことで読者が読みやすくなることを意味する。


しかし、ツール!はそれを活かす方法を間違えた。


今回の草レース、展開として面白いのは
ベテランの高齢選手(趣味でレースやってるような体力はないが技術はあるジジイがベター)に参加させ、主人公と共に走らせる。
先に行こうとする主人公をさらりとブロックして実力の片鱗を見せつつレースを知らない主人公(と読者)にレースの掟を教える。
そしてトラブルを起こしてベテランをリタイヤさせ、ゼッケンを主人公に渡し草レースを続行させる。

これがベターな展開。

この展開にしてしまえば主人公が何をしようがOK。
ベテランとチンタラ走れば最下位に近い所にいるわけだからそこから追い上げれば盛り上がる。
仮にトップに立ってもゼッケンは他の人のだから記録には残らないし名前も知られない。
「謎の東洋人の若者」として記憶のみに刻まれるという流れ。
さらにそのベテランがチームに権力があったりスポンサーだったりすればまたおいしい展開ができる。


漫画の素人だから思いつく陳腐な話とも言える。
でも「陳腐な策だが、効果があるからこそ常用されるし、常用されるからこそ陳腐にもなる」と誰かが言ってたしね。
ベタな流れを押さえてこそヒネリが効くってもんだ。
で、実際陳腐な話かと思えば今週の話ではレースの最初に声をかけてきたおっさんが金持ちである描写があったりする。

なんでそこまで設定あって話作れないかなー?


もしかしてバカじゃないのか?


漫画はご都合主義でできている。それは否定しない。
しかしご都合主義にも使い方というものがある。
今週のツール!を読んで、ご都合主義はより楽しく、より燃える方向に使って欲しいものだと痛感した。

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